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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第64話 プロモーションの「基礎設計」で売上をぐんぐん伸ばす!


  「お陰様で、ホームページを変えて、すぐに大手の企業から問い合わせがありました。その後、広告を出したら問い合わせがたくさん来て驚いています。」

 

※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。


 

同社は、特殊な分野で製造を行っているメーカーです。当社の指導を受けて、事業そのものをカテゴリーキラー化していく取り組みを行い、その後、ホームページをリニューアルしました。

すると、インターネットの自然検索で大手企業からの引き合いが来たのです。それまでのホームページでは、このような問い合わせはほとんどなかったので、経営陣は驚いていました。

さらに、その後、ターゲット企業がよく接触している媒体に広告を出したところ、一気に複数の問い合わせが来たということです。全て新規のお客様です。どの問い合わせも、仕事に直結する問い合わせなので、これから営業マンが丁寧にフォローしていくことになります。

 

ここで、気をつけたいことは、このようなよい流れをつかめてきたら、手を休めずに、もっと問い合わせがくる方法があるのではないかと考えて、行動することです。

営業マンが足りずフォローが追いつかないのであれば、話は別ですが、新規の取引先を開拓したいのであれば、どんどん広告を出していくべきです。

 

しかし、実際には経営者の頭の中では、広告費用はもったいないという意識が働いてしまいます。特に、無駄な経費を使わないことを習慣としている企業は、そのような意識が働きます。基本的に無駄な経費を使わないということはとてもよいことですが、投資対効果が高い施策は、リターンが大きい投資対象として、どんどん攻めていくべきです。しかし、実際にはなかなか踏み込むことができていないのではないでしょうか。 

 

ここには、経営者の大きな意識の壁があります。

その意識の壁とは、一言でいえば、昔ながらの営業スタイルに慣れてしまっていて、広告を使った手法など新しいやり方に慣れていないということになります。

 

そしてさらに、もう一歩踏み込んで考えると、(通信販売を行っている会社を除いて)ほとんどの経営者は、自社の「1件あたり顧客獲得コスト」を認識していないということにつながります。この「顧客獲得コスト」についてしっかり理解をしなければ、意識の壁は乗り越えられないでしょう。

 

さらに、「1件あたり顧客獲得コスト」ではなく、その一歩手前の「1件あたり見込客獲得コスト」と言われると、認識している経営者は皆無でしょう。

 

パンフレット1枚の経費に目をむけても、もっと重要な「1件あたり顧客獲得コスト」と「1件あたり見込客獲得コスト」を認識していないことは大きな機会損失です。

 

このことは、基本的に、メーカー、卸売、その他特殊なサービスなど対法人向けのBtoBビジネスだけでなく、一般消費者向けの商品・店舗サービスなどBtoCビジネスについても同じことが言えます。

 

広告宣伝や販売促進などのプロモーション活動で、「1件あたり顧客獲得コスト」を認識して、効率的な展開ができるようになると、既存の営業スタイルに頼らない効率的な経営が実現できます。

 

たとえば、

  • 価格競争に巻き込まれない、質の高い問い合わせがくるようになる
  • WEBサイトから、成約する確率が高いお客様の問い合わせがくるようになる
  • お客様から声をかけてくれるため、少ない営業リソースを有効活用できる

など。

 

このような理想的な状況を実現するためには、プロモーションの基礎設計が欠かせません。

プロモーションの基礎設計とは、新規のお客様を発掘するところから、成約後のフォローをしていく一連のプロセスで何をすべきかを設計していくことです。自社にふさわしい売り方のスタイルを確立して行くとも言えます。

そして、プロモーションの基礎設計をする際に、「1件あたり顧客獲得コスト」と「1件あたり見込客獲得コスト」を十分に認識することがとても重要です。

 

この2つのコストを認識するためには、まず、自社の理想的な顧客はどんな顧客か、そして、その理想的な顧客は、生涯で自社にいくらのお金を落としてくれるかを設定する必要があります。

仮に1件の顧客から、リピート受注も含めて、平均的に100万円の粗利益を得ることができるとし、その顧客を理想的な顧客とします。

この顧客獲得のために、いくらのコストをかけられるかということをまず考えます。

この100万円の粗利益のうち2割は顧客獲得コストとして使えるとすれば、1件の顧客を獲得するために20万円のプロモーション投資ができるというわけです。

 

この場合は、「1件あたり顧客獲得コスト」を20万円と設定できます。

 

「そんなにうちは、コストをかけられないよ。」という声が聞こえてきそうですが、それでは、今いくらかかっているのか、そして、いくらまでなら、かけられるのか、を考える必要があります。

 

もっと言えば、しっかりと顧客獲得にコストをかけられるような付加価値の高い商品・サービスを生み出す必要があります。また、「うちはほとんどお金をかけていない」といいつつ、一番給料の高いであろう社長の時間をものすごくかけてしまっているという会社もあります。実はそれはとても大きなコストです。

 

さらに、資料請求してくれる見込客のうち平均的に10件に1件が成約するとすれば、20万円(1件あたり顧客獲得コスト)÷10件(資料請求)=2万円となります。この2万円が「1件あたり見込客獲得コスト」として使えることになります。

 

「1件あたり顧客獲得コスト」と「1件あたり見込客獲得コスト」の設定ができていると、様々なプロモーション展開をテストして評価しようという発想が生まれます。

 

例えば、ダイレクトメールで40万円かけるとすれば、資料請求が20件(40万円÷1件あたり見込客獲得コスト2万円)、このうち2件の成約(40万円÷1件あたり顧客獲得コスト20万円)がプロモーションの目標となります。

 

展示会に出展して新規開拓を行う場合も同様に考えます。200万円かけて出店した場合は、100件(200万円÷1件あたり見込客獲得コスト2万円)の見込客獲得が目標となります。

そして、成約目標は、10件(200万円÷1件あたり顧客獲得コスト20万円)となります。BtoBの場合は、見込客が成約するまでには時間がかかりますから、2~3年の期間で余裕をもって評価していくスタンスも大切です。そして、この2~3年の間、見込客をしっかりとフォローし続けることも大切です。

 

このように、「1件あたり顧客獲得コスト」「1件あたり見込客獲得コスト」をベースに施策の成否を判断し、さらに2つのコストをいかに小さくしていくかというところの改善を繰り返していきます。中小企業から大企業に成長していった会社は、マーケティング部署を持ち、そのことを専門的に行っているのです。

 

人手不足で営業マンが集まらない時代ですから、より安いコストで効率的に見込客を獲得し、成約確度の高い見込客にのみ営業マンのリソースを集中させることで、人だけに頼らない、効率的な経営が実現します。

 

ところで、この「1件あたり顧客獲得コスト」と「1件あたり見込客獲得コスト」を意識しながら、売上増大を促進していく手法をダイレクトマーケティングと言います。もう、何十年も前にアメリカで確立された手法です。もともとは、ダイレクトマーケティングは、ダイレクトメールを中心とした、通信販売のビジネスから始まったマーケティング手法です。

 

私は、独立前の10年間は、外資系のダイレクトマーケティング専門の会社で仕事をしていました。大手広告代理店との合弁企業でしたので、クライアントは全て大企業です。

 

当時の私の仕事は、まさに「1件あたり顧客獲得コスト」と「1件あたり見込客獲得コスト」を意識しながら、効果的なプロモーションを企画提案して運用しいていく仕事でした。プロジェクト予算が数千万円、億を超える仕事もたくさん経験させていただきました。

 

クライアントの業種も多岐にわたり、雑貨の通信販売、大手通販保険、外資系タバコメーカー、大手通信会社、高級車ブランド、店舗チェーン、ネット証券、事務機器などのクライアントのプロモーションのお手伝いをしてきました。億を超える予算を担うことから、非常にプレッシャーのかかる仕事で、何度も家に帰れなかった経験をしてまいりました。

 

そして、その後、独立して、中小企業専門のマーケティング会社を立ち上げて12年が経過しました。そこで感じるのは、中小企業には、ダイレクトマーケティングの発想ができる企業は少なく、経営者の意識改革が必要だと感じます。

 

特に、ある程度の利益が出ている企業ほど、過去の成功体験から、ひとつのやり方に固執して、なかなか新しい発想や手法に目が向きません。

 

また、ダイレクトマーケティングの手法に目をつけて頑張っている中小企業もひと昔前よりは増えています。しかし、そういった企業は、自社商品・サービスに対するブランディングの意識が低すぎるケースが散見され、とてももったいないと感じます。

 

なぜもったいないかというと、ブランディングができていないと顧客獲得コストが高くつくからです。あくまでも、自社商品・サービスがブランディングされて魅力的であることを前提として取り組むべきなのです。

 

簡単にいえば、ターゲット顧客が魅力を感じない、または伝わらない商品・サービスをいくら宣伝しても、伝わらないということです。

 

実際にはそこまで悪くないとしても、競合と比較して、商品・サービスそのものの魅力が劣っていれば、いずれプロモーションで競合に負けてしまい、苦しい経営を強いられるということです。

 

大手企業で優れたマーケティングを展開している会社は、このバランスをしっかりと意識してプロモーションを行っています。多くの中小企業は、まだまだこの領域まで到達できていないですが、だからこそ、成長余地があるとも言えます。

 

最近は、当社に相談に来る企業でも、ダイレクトマーケティングに偏ってプロモーションを行い、限界を感じて、自社ブランドの確立をテーマにコンサルティングを受ける企業が増えてきました。

 

今回お伝えしたプロモーションの基礎設計は、どの業種でもあてはまる考え方です。

 

しかし、目先のプロモーションをどうしようと考えるのは早計です。やはり、どんな仕事でも成果を出すためには正しい段取り、順番があります。これまで何百社と相談を受けてきましたが、プロモーションに意識が偏りすぎている会社はうまくいきません。

 

どうしても小手先になってしまうのです。

 

断言しますが、プロモーションだけに意識を向けすぎると失敗します。ある程度市場をつくったところで、競合にどんどん市場を奪われていきます。

 

しっかりと市場を分析して戦略的な思考で、カテゴリーキラーといえる商品・サービスを生み出すことが先決です。冒頭のメーカーもカテゴリーキラーづくりに時間をかけたからこそ、少ない費用で広告を出して、よい反応が得られたのです。

当社のホームページでは、様々な業種のお悩み解決事例を掲載していますが、全ての成功事例に共通することは、カテゴリーキラーを生み出しているという事です。中小企業は、プロモーションに頼るのではなく、競合に負けない商品、サービス、つまり、カテゴリーキラーで売上を上げていくべきで、経営者はそこに最大の意識を向けるべきなのです。

 

あなたの会社も、まずカテゴリーキラーを生み出すべきです。カテゴリーキラーは、商品・サービスだけでなく、事業そのものをカテゴリーキラー化していくという視点も大切です。

そのうえで、プロモーションの基礎設計に取り組んでほしいと思います。そして、プロモーションの基礎設計には、「1件あたり顧客獲得コスト」を認識することがとても重要です。

 

あなたの会社は、理想的なお客様を獲得するために、いくらの予算を投下できますか?

 

 

追伸:

プロモーションをしっかりと設計して顧客獲得をどんどん進めている事例や、その他、当社のコンサルティングを受けて大きく売上をあげた、お悩み解決事例を多数公開しています。

経営者のインタビュー形式で、具体的な取り組み内容や、そのポイントをつかむことができます。

以下のサイトより、自由にご覧ください。

お悩み解決事例(お客様の声) (mr-m.co.jp)

 

 

株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

村松 勝