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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第83話 なぜ「鬼滅の刃」はヒットしているのか? 鬼滅の刃 ヒット

鬼滅の刃 コラム

「先生、今、何か付加価値を付けなければならないと思って、競合の取り組みを参考にして取り組んでいるのですが、なかなかうまくいっていません。一度、相談してもらえませんか?」

 

 あるサービス業を営む経営者から、先日、当社にご相談をいただきました。

※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。


 

今、「鬼滅の刃」の映画が話題です。もうご覧になりましたか? 

 

オリコンニュースによれば、公開後、わずか24日間での200億円の興行収入突破は、

308億円をたたき出した日本映画の歴代1位である、「千と千尋の神隠し」が、200億円到達までに59日間かかったことを考えると、もはや1位になるのは時間の問題だと言われています。

 

■歴代映画興行収入ランキング

(興行通信社調べ・2020118日時点)

 

1.『千と千尋の神隠し』(308億円)

2.『タイタニック』(262億円)

3.『アナと雪の女王』(255億円)

4.『君の名は。』(250.3億円)

5.『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(204.8億円)

 

なぜ、それほどまでに、「鬼滅の刃」はヒットしているのでしょうか?

 

「鬼滅の刃」は、20162月から205月まで「週刊少年ジャンプ」で連載していた漫画が原作です。

コミックス累計1億部を突破する人気作ですが、単行本はわずか23巻です。連載中から話題作だった割には、「ONE PIECE」などに代表されるように100巻近くも続いているようなコミックスからすると、少ない話数で終了したことがわかります。

 

(「鬼滅の刃」を知らない方のために・・・

 

本作は、大正時代の人喰い鬼の棲む世界が舞台です。主人公の炭売りの少年・竈門炭治郎は、人喰い鬼に家族を惨殺されたことで人生が一変し、唯一生き残ったが、鬼になってしまった妹の禰豆子を人間に戻すため、家族を殺した鬼を討つために旅に出る、という物語です)

 

 この内容だけを読むと、昔からよくあるような復讐劇のようなものだと思われます。

 

 しかし、ただ悪い奴らをやっつけるだけの、主人公の成長物語ではないところに、この漫画の面白さがあります。

 

 これまでのそのような漫画やアニメなどの多くが、勧善懲悪的なものでした。

それは、どういうことかというと、正義のヒーローが、敵役である悪者をやっつけてスッキリするといった内容です。例えば、ウルトラマンや仮面ライダー、また水戸黄門などをイメージして頂くと、わかりやすいかもしれません。

 

 そして、多くの場合が、正義のヒーローのストーリーは語られるものの、悪者については、ただ一方的に悪いだけであって、そこには特別な何か語られるものはほとんどありませんでした。

 

 しかし、この「鬼滅の刃」の大きな特徴の1つに、その悪者だと思われている敵の鬼について、鬼になった背景や理由、つまりストーリーが丁寧に語られています。

 

主人公側のみならず、敵役と考えられている鬼に対しても共感を生んでしまうよう作品に創り上げられているところに、これまでの漫画やアニメとの大きな違いがあるのだと思います。

 

 もちろん、主人公や、それを取り巻く準主人公たちも、その生い立ちや戦わなければいけない背景や理由、それぞれのストーリーが語られています。

 

 つまり、敵味方にかかわらず、出てくるほぼすべての登場人物(キャラクター)が、それぞれのストーリーによって、個性やオリジナリティが際立ち、一人一人が「キャラ立ち」しています。

 

 そうなるとどうなるか。

 

ほぼ全ての登場人物の名前(固有名詞)を覚えて、語れるようになります。

 

もちろん何かのマニアのような方は、名前を覚えてしまうことはあるかもしれませんが、私の周りでも、子どもや大人も含めて、これほどまでに全ての登場人物の名前を記憶して、日常会話として、話せるレベルになるまでの漫画やアニメはあまりなかったのではないでしょうか。(少なくても20人ぐらいは、敵味方にかかわらず登場人物が出てきます。)

 

 それではなぜ名前を覚えてしまうのか、それは前述したように、それぞれの登場人物の個性やオリジナリティ、そして背景や理由など丁寧に語られることで共感し、愛着が湧くからなのだと思います。

 

 

 さて、このことから、中小企業は何を学べるのでしょうか?

 

 それは、商品でも、サービスでも、そして事業や会社でも、個性化(オリジナリティ)することによって、顧客や周りから、固有名詞で記憶され、愛着や共感をもってもらうことが大切になります。

そのことが、結果として売上につながっていくのです。

 

 ご存じのように、今やAmazonに代表されるように、インターネットによる情報化社会では、機能やスペックが同じものは、全て安い価格順に表示されてしまうような時代です。

 

そうなると、価格の安いものを提供できる会社しか生き残れません。つまり体力勝負になります。どこまでいっても中小企業は大企業に勝てなくなるでしょう。

 

よって、いかにして価格以外の側面、つまり、その商品やサービス、事業、会社ならではのオリジナリティや個性をつくらなければいけないことがおわかりになると思います。

 

 あるサービスを提供している中小企業が、インターネット上での価格競争にさらされていました。そして競合に対抗するように、価格を合わせて提示を繰り返していましたが、それでも、さらに価格競争は加速していき、売上は大きく伸びず、ただいたずらに収益が悪化していくだけでした。

 

 そんなときに、当社と出会いました。

 

 その後、会社のこれまでの強みを活かした、価格ではない競争軸を設定したことによって、見込客からの信頼を獲得し、売上が伸び、収益が大きく改善していきました。

 

もちろん価格以外の要素においても、競合が取り組んでいるからといって、自分の強みが活きていない付加価値をいくら付けようとしても、やはり餅は餅屋であり、中途半端で付け焼き刃的であり、早晩行き詰まり、肝心のお客様からも底の浅さが見透かされてしまいます。

 

(冒頭のご相談のあった、

 

先生、今、何か付加価値をつけなければならないと思って、競合の取り組みを参考にして取り組んでいるのですが、なかなかうまくいっていません」

 

と、おっしゃられたサービス業の経営者の方も、競合の取り組みを参考にするのは良いとしても、表面的に取り入れただけでは、多くの場合うまくいきません。

競合には競合の、長年培ってきたノウハウがあると思われるからです。)

 

それよりも自社しかできない付加価値を見出し、打ち出していくことが重要です。

 

そして、自社ならではの取り組んでいる理由や背景を丁寧に伝えていくことで、それが個性、オリジナリティとなって、顧客に固有名詞として記憶され、積極的に選ばれるような会社や事業、商品、サービスになっていきます。

 

それが「カテゴリーキラー」です。

それを創り出すことによって、どんな企業も価格競争に陥らなくて済むようになるのです。

 

例えば、創業が古い会社は、地元では知る人ぞ知る存在でしょう。しかし、地元から出て全国のお客様を対象として見た場合には、完全に埋もれていしまっている、そういうことが普通にあります。

地元だけの商売でやっていける時代であれば問題ないのですが、コロナ禍において、多くの会社が変革を迫られています。

 

また、経営計画書をつくっているからといって安心していても、理念や方針、組織のあり方、作業手順などに終始し、肝心な市場を攻めていくための「戦略」がすっぽりと抜けてしまっている場合もあります。

 

どのように変革をしていくかは、個別企業によって様々な方向性が考えられると思います。

しかし、いずれの方向性にしても、商品・サービスまたは事業そのものを当社が提唱している「カテゴリーキラー」と呼べるレベルにして、キャラクターとして立っていく、つまり1つの個性あるオリジナリティのあるものとして「キャラ立ち」する必要があります。

 

それができて、はじめて「鬼滅の刃」の各キャラクターのように、しっかりと記憶される存在になります。

 

そしてそのことに、まずは経営者自身が早く気づき、1人からでも早く取り組んでいくことが大切なのです。

社員が動けないような状況であれば、社長1人でも先陣をきって取り組みをはじめなければ、手遅れになることがあります。

(当社には、全国から、社長が1人で来られ、当社と一緒に「カテゴリーキラー」づくりに取り組み始めるケースも珍しくありません)

 

次の経営の一手は、社員に任せるのではなく、社長が本気で考えた戦略ほど効果的なものはありません。社長の個性や「想い」がしっかり込められると、本当に良い「戦略」が完成します。

中小企業が、個性、オリジナリティを出していくための大きな要素は、リスクを背負って本気で事業を行っている社長の「想い」以外に強いものはありません。

 

その他大勢に埋もれないための、「キャラ立ち」の時代。

 

 あなたの商品、サービス、事業、会社は、「キャラ立ち」していますか?

 

株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

吉田 隆太

 

 追伸

 前回のメールマガジンでもお伝えした顧客インタビュレポート、

【最新!成功事例】新商品が大ヒット!コロナに負けない「カテゴリーキラー」、当社ウェブサイトで公開中です。

 老舗家電メーカーの3代目経営者が手がけた、斜陽産業におけるカテゴリーキラー商品の開発によって、このコロナ禍でも、年間販売目標の3倍を上回るペースで受注が伸び、そのカテゴリーキラーをきっかけに、全ての商品の在庫が完売し、注文は3カ月待ちの状態が続いた事例について、インタビュー形式で公開しております。

 もしまだご覧頂いていない方は、ぜひ以下のサイトをクリックしてご覧下さい。

具体的な取り組みについて、お話を頂いております。

https://www.mr-m.co.jp/?p=15443