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CASE STUDY お悩み解決事例

当社のコンサルティングをご利用いただいたお客様がどのような経緯で当社へご依頼いただいたのか。当社のコンサルティングをご利用されてどのような変化があったかなど、インタビュー形式でお伺いしております。

※インタビュー記事は、お客様の特別な許可を頂いて、掲載させて頂いております。

カテゴリーキラーは10万台を突破しました!その後も新商品を5連続ヒットさせて、高収益体質の経営にシフトできています。 最近は、募集をかけるとすぐに入社希望者が集まるようになりました。 ー高収益体質を生むメーカー企業の自社商品強化戦略 ー

株式会社アックスヤマザキ

代表取締役社長 : 山﨑 一史

新製品を含め売れ行きは順調、国内外の数々の賞も受賞。怒涛の快進撃を続けるアックスヤマザキ

『子育てにちょうどいいミシン』が発売されて3年ほど経過していますが、いまだ快進撃が止まらないそうですね。

山﨑社長: 大変ありがたいことに、とても大きな反響をいただいています。

前回の顧客事例インタビューでお話をさせていただいた際は、初回生産分が瞬く間に完売し、必死に追加生産するも即完売を繰り返していることをお話ししたかと思います。

楽天の総合ランキングで1位になるほどの反響をいただいたこともあり、結局、発売から約9ヶ月間は供給が追いつきませんでした。その後も順調に売上台数は増え続け、発売開始から3年で累計10万台を突破しました。

 

数々の賞も受賞されていると伺っています。

山﨑社長:『グッドデザイン賞』の金賞をはじめ、いくつもの賞をいただいています。

最近だと、『Japanese Design Today 100(現代日本デザイン100選)』にも選ばれました。2000年以降に生み出された日本文化の現状を反映するプロダクトやサービスが選ばれ、海外巡回展として世界各国を回るそうです。

また、海外でも高く評価いただき、『ニューヨークADC賞』金賞、『GERMAN DESIGN AWARD』優秀賞を受賞しました。

さらに、今年秋からはニューヨーク近代美術館(MoMA)にて『子育てにちょうどいいミシン』が展示、販売されます。

このような実績を評価していただき、2021年は『日経トップリーダー』の全12ページにわたる特集記事に、中小企業としての当社の市場づくりへのチャレンジと復活劇を掲載してもらいました。

 

《数々の受賞歴》

 

 

素晴らしい躍進ですね。そんな大人気の『子育てにちょうどいいミシン』が、今年リニューアルされたとか。

山﨑社長: 10万台販売達成記念として、ユーザーのみなさまのお声をもとにリニューアルしました。もっともっと多くの方にミシンを使っていただきたいと思っているので、現状に満足しているわけにはいきませんからね。

『子育てにちょうどいいミシン』のヒット以降の取り組みを教えてください。

山﨑社長: 『子育てにちょうどいいミシン』の販売以降、『子育てにもっといいミシン』、『孫につくる、わたしにやさしいミシン』、『TOKYO OTOKOミシン』、『大人のための、気分がアガるミシン』と新製品のリリースを、手を休めずに続けてきました。

これら新しいミシンを開発するにあったては、ターゲットを絞り込み、そのターゲットにもっともお役に立てそうな、ミシンに興味を向けてもらえそうなコンセプトづくりを、それぞれでしっかりと行いました。

我々は小さなミシンメーカーですから、大手ではなかなかチャレンジしようとしないようなニーズを拾い上げ、そのお悩みや喜びにしっかりとお応えできるような商品づくりに力を入れています。

ミシンを使うことに少し抵抗があって使っていなかった人が、「これならミシンやってみようか」と思ってもらえる商品づくりを目指しています。

実は、ミスターマーケティングさんとお会いした当初に、「10連続ヒット(10年間、毎年ひとつのヒット商品を開発する)」という目標を設定して取り組んでいるのです。

そんな中でも、『TOKYO OTOKOミシン』の企画開発においては、ターゲットが、ミシンとは遠い存在と世間的に考えられている男性ですから、コンセプト設計から、ミシンを実際に使うシーンの創造など、特に苦労しました。

そもそも、育児中のママがミシンで子どものバッグを作るとか、おばあちゃまが孫のために何かちょっと簡単な洋服を作るとか、しっかりとしたニーズがありませんから、心のどこかに「これ本当にいけるのか!?」といった不安を抱えながら、ターゲットとする男性の世代ごとの趣味趣向や、潜在的なニーズを探る作業にじっくりと時間をかけました。

ミスターマーケティングさんとの度重なる検証の結果、仕事にも余裕が出てくる世代で、子育てもある程度手が離れつつある大人男性にターゲットを絞り、高級な皮素材であるコードバンなどで、自分が使うための財布や小物などを作ったり、慣れてきたらデニムパンツを作ってみたりと、男のこだわりをテーマにした商品コンセプトを打ち立てました。

『子育てにもっといいミシン』、『孫につくる、わたしにやさしいミシン』、『大人のための、気分がアガるミシン』にも共通して言えることですが、ミシン単体をモノとして売る、と言うよりも、そのミシンを手にする人が叶える楽しみなどのコトを合わせて提供していくことで、ミシンのある生活の喜びを広げていくことを目指しています。

ですので、男性向けの場合も、ミシンでいかに喜びを得られるのかを徹底的に考えました。『TOKYO OTOKOミシン』では、新商品記者会見も行い、しっかりとメディアにもコンセプトをPRできたこともあり、人気テレビ番組『ガイアの夜明け』や『がっちりマンデー』でも取り上げられるなど、いずれも高く評価していただいています。

発売当初から、しばらくは注文から4か月待ちになるほどの反響をいただきました。

 

《「TOKYO OTOKOミシン」のキービジュアル》

 

 

連続ヒットを生み出す中、会社のロゴや社屋を新しくしたとも伺っています。

山﨑社長: コンセプトやデザインにこだわった製品をつくっているので、会社のイメージもそれに伴うものでなければと思いまして。

当社には毎日のように一般消費者の方がミシンを見にきてくださるので、自信をもってお迎えできる環境づくりも大切だと考えました。

年季の入った社屋は、お世辞にも格好いいとかお洒落とは言えませんでしたが、思い切って『子育てにちょうどいいミシン』のプロダクトのイメージをそのまま建物に移植して、スタイリッシュに変化させました。

お客様が抱くイメージを裏切らないような環境を整えられてホッとしています。

 

《リニューアルされた社屋 外観》

会社の経営面ではどんな変化がありましたか?

山﨑社長: わかりやすいところでいうと、『子育てにちょうどいいミシン』の販売後、一年も経たないうちに年商が4億円から10億円まで2.5倍に成長しました。

さらに粗利益率は、低迷期は20%前半でしたが、こちらも50%を超えるまでになりました。

また、新商品を打ち続けたこの3年の大きな成果としてEC比率が向上したことがあります。2019年は13%だったのが、今年は65%まで5倍伸びています。

問屋や小売店を通さない、ECでの直接販売が大きく伸びたことで、ずっと苦しめられてきた低収益体質から、しっかり利益を残せる会社に生まれ変わりました。

物価高による仕入れが高騰する中での、この高収益体質の実現は、最初の『子育てにちょうどいいミシン』のヒットだけでは成せなかったと思っています。

続く、『子育てにもっといいミシン』、『孫につくる、わたしにやさしいミシン』、『TOKYO OTOKOミシン』、『大人のための、気分がアガるミシン』と、現状に満足せずにチャレンジし、ありがたいことに連続ヒットを出せたおかげで、着実に会社の信用やお客様からの評価を高めていくことができたからです。おかげで高付加価値経営を実現できています。

あと、採用においても変化が出ています。当社は頻繁に人材募集をするような大きな企業ではないですが、最近は、募集をかけた際にはすぐに希望者が集まってきてくれます。

しかもしっかりとしたキャリアをもった専門職の方の応募も少なくないので、この点も会社の大きな変化と言っていいですね。

 

社員が会社をより誇れるようになったことも大きな収穫。そんな仲間たちと、さらに上を目指し続ける

山﨑社長ご自身は、これだけの成功をどのように受け止めていらっしゃいますか?

山﨑社長: 大きな反響をいただいたことは大変うれしく思っています。ただ、先ほども少し触れたとおり、現状には安心も満足もしていません。

もっと多くの方に振り向いていただき、ミシンの、手づくりの魅力を伝えていきたいので。今はまだ、そのきっかけをつかんだところだと考えています。

とはいえ、『大阪活力グランプリ2020』で特別賞を受賞したときは、「ここまで来たのか」と感慨深かったですね。『大阪活力グランプリ』は、地域経済、産業を活性化させた個人や団体、サービスなどに贈られる賞で、過去には『阪神タイガース』や『オリックス・バッファローズ』、『近大マグロ』、『あべのハルカス』などが特別賞を獲っています。

しかも、該当者なしの年もあるのですよ。いわば“その一年を賑わせたものに贈られる賞”なのですが、少し前までその対極にいたような当社が受賞するなんて、まさに夢のようでした。

でも、私たちに浮かれている暇はありません。評価はありがたくいただきつつも、過去は振り返らないようにしています。

社員にも「今年を人生で一番の年にしよう」と毎年話していますから。

 

会社の躍進を受けて、社員のみなさんの様子には何か変化がありましたか?

山﨑社長:社員一人ひとりが、会社をより誇りに思ってくれるようになったと感じています。

数字が伸びたことや賞を受賞したことも理由ですが、製品や会社が新聞の全国紙やテレビなどのメディアで紹介されるようになったことも大きいですね。社員本人やその家族が、周囲の方々から「またテレビに出ているのを見たよ、すごいね!」などと声をかけられる機会が増えたと聞いています。

これと似たようなエピソードは、私にもあって。娘が学校の授業で新聞を読む機会があったらしく、その紙面に当社が載っていて、「お父さんの会社だ!」と喜んでくれたそうです。

娘は先生にもよくミシンの話をしているとのことで、ミシンのこと、自身の父親の仕事のことを好意的に思ってくれているのがうれしいですね。

これが斜陽産業のまま、会社も私も元気のない状態であったら、家族のミシンに対する捉え方も変わっていたかもしれませんからね。

それから、最近うれしいことがもうひとつありました。病気でこれから療養に入るベテランスタッフがいるのですが、ご家族が本人に「今、一番何がしたい?」と聞くと「仕事がしたい、早く会社に行きたい」と答えてくれたのだそうです。

ミシンの仕事に誇りを持ってくれる頼もしい仲間に恵まれて、本当にありがたいですね。まずはしっかり治療を受けて身体を治し、元気になって戻ってきてくれるのを楽しみに待っています。

 

“コンサルティング”とは思っていない。ミスターマーケティングは、なくてはならないパートナーです

先ほどミスターマーケティングと「10連続ヒット」のイメージを確立したというお話がありました。『子育てにちょうどいいミシン』のリリース後も、ミスターマーケティングのコンサルティングを継続して受けられているのはなぜですか?

山﨑社長:ミスターマーケティングさんは、当社にとって“なくてはならない存在”なので、継続する以外の選択肢はありませんでした。

ミスターマーケティングさんとのやりとりでは、まず私の中にある漠然としたアイディアをぶつけて、一緒に整理し、実現に向けた段取りをつけていきます。

アイディアを形にするためにはたくさんのステップを着実にふんでいく必要があり、この過程をひとりで走っていると、誤った方向に進むリスクがどうしても高くなるものです。それが、市場を公平に冷静に分析できる、信頼できる相談相手に並走してもらうことで、私も客観的な視点に戻って事業を見られ、おもしろい気づきをもらえることも多いです。

でも、“なくてはならない存在”であるもうひとつの大きな理由は、テンションを上げてくれることですかね。ミスターマーケティングさんと話すと、いつもワクワクできるのですよ。

このワクワクは、事業を前に進めるために最も重要な原動力といってもいい。私自身、もともと熱い想いをもっている自負はありますが、彼らはそれをさらに引き上げてくれるのです。

つまり、ミスターマーケティングさんは、自身のアイディアや夢をかなえるための現実的な道筋を描きながら、その上で背中を押してくれる。私の原動力を高めてくれる存在なのです。

経営者のモチベーションも高めるコンサルティングなのですね。

山﨑社長:私は、ミスターマーケティングさんのサービスを“コンサルティング”とは捉えていません。これは内容が伴っていないという意味では決してなく、“語感”の問題ですね。

コンサルティングというと、上から指図されるような印象や、言葉を選ばずにいえば“うさんくささ”を感じる方が多いのではないでしょうか。実際に、世の中にはそういうコンサルティング会社は数多くあると思いますし。

でも、ミスターマーケティングさんはそうじゃない。経営者とフラットな関係で話を聞いてくれて、議論し、一緒になって未来を考えてくれるパートナーです。

だから、私は今回のインタビューでもあえてコンサルティングという言葉は一度も使っていません。

ミスターマーケティングさんは、夢を叶えるために並走してくれる、力を貸してくれるパートナーです。

『子育てにちょうどいいミシン』以来、ほとんどのブランディングデザインに携わっているミスターブランディング※への評価はいかがでしょうか?

(※ミスターブランディングは、ミスターマーケティングの子会社)

山﨑社長:ミスターブランディングさんは、何といってもこだわりが強いですね。とはいっても自己満足ではなく、ターゲット、世の中に我々の製品を届けることを真剣に考えるがゆえのこだわりです。

いつでも私たちのことを的確に捉えて意見をくれますし、ロゴマーク開発にせよ、パンフレットづくりにせよ、パッケージデザインにせよ、その成果物はいつも期待を上回ってきます。

最近の記憶で言えば、『TOKYO OTOKOミシン』のプロモーション動画を作ってもらった際、その動画を最初に見せてもらった時の興奮は忘れませんね。

すでにお話をした通り、男性ターゲットであることで、「これ、本当に行けるのか!?」といった不安がどこかにあったのですが、動画の冒頭から世界観に引き込まれました。打ち立ててきたコンセプトが映像と音にギュッと詰まっていて、不安がワクワクに一瞬で変わった感じです。「よっしゃ、行くぞ!」と。

このように、ミスターブランディングさんの成果物を見ると、大事に企画してきた製品を世に出すことがもっと楽しみになるんですよ。

事業を力強く後押ししてくれる存在なのですよね。ミスターマーケティングさんとアイディアを練って製品をつくり、ミスターブランディングさんに、製品の価値をグッと高めて伝えるためのブランディングをお任せする……今では、それが当社の“成功パターン”です。

 

TOKYO OTOKOミシン』プロモーション動画はこちらからご覧になれます。

https://www.axeyamazaki.co.jp/products/om-01/

 

最後に、売上アップを目指したいが、その一歩を踏み出せずにいる経営者の方々へメッセージをお願いします。

山﨑社長:当社を含め、中小企業の多くは、限られた資源の中で事業を展開していかなければならないでしょう。

でもそれは、何でも自社だけでやらなければならないということではありません。自分たちだけではできないことがあるのなら、できる人たちの力を借りればいいと思っています。

語弊を恐れずいえば、その人たちのノウハウを最大限に活用して、やりたいことを実現すればいいのです。

時々、「何でそんなに、次から次に新しい手を打ち続けられるのか?」という質問を受けることがあります。

当社の場合、生業にしているミシンの業界が斜陽産業であり、何もしなければ衰退していくだけなので、それなら思い切ってやるしかないと思っていますし、ものすごい危機感を持って、日々経営しております。

私は一度、ミシン以外の商品に手を出そうと考えたこともありました。でも、代々ずっとミシン一筋でやってきた当社ですし、そこで育てて頂いた自分が命をかけるのであれば、結局はミシンしかないと、「10連続ヒット」を目指す目標を立てた折に、腹を決めました。

ミシンで、今の時代とこれからの時代の世の中に貢献していく、ミシンの会社として従業員を守り、会社を成長させていくことに覚悟を決めたからやれているのだと思っています。

 

そして、その想いを汲んで並走してくれるのが、当社の場合は、ミスターマーケティングさんやミスターブランディングさんでした。

一緒に取り組ませていただいてから、現時点で5連続ヒット、目標までは残り5連続ヒット。我々は、これからも頼もしいパートナーと一緒に、「一家に一台ミシンがある未来」を目指し、国内外で挑戦を続けていきます。

日本を支えているのは、国内の企業のほとんどを占める中小企業です。そんな私たちが「うちにはできない」と夢を諦めてしまってはもったいないと思います。

そして、危機感と使命感を持って、一歩前に行動に移さなければ、夢もカタチになりません。

ビジョンに向かって、勇気と希望を持たせてくれる、そんなパートナーとして、ミスターマーケティングさんとミスターブランディングさんは、当社にとって、“なくてはならない存在”なのです。