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CASE STUDY お悩み解決事例

当社のコンサルティングをご利用いただいたお客様がどのような経緯で当社へご依頼いただいたのか。当社のコンサルティングをご利用されてどのような変化があったかなど、インタビュー形式でお伺いしております。

※インタビュー記事は、お客様の特別な許可を頂いて、掲載させて頂いております。

コロナ禍で苦戦する業界で、カテゴリーキラー事業を打ち出し、案件数は5倍以上に増加! 若手の社員が成長し、“今後の事業成長が見える体制”を整えられました! ー金属加工メーカーの独自市場づくりー

株式会社モリチュウ

代表取締役社長 : 森 雄児

営業部: 高野 亮

技術に自信はあるが、会社の“ウリ”を定義しきれない。そんな課題を解決すべくコンサルティングを依頼

 

ミスターマーケティングと出会う以前に貴社が抱えていた課題はどんなものですか?

森社長:当社は鋳造の分野で80年以上 にわたって事業を営んでおり、技術の幅にもレベルにも自信と誇りをもっていました。ただ、「モリチュウの“ウリ”はなんなの?」という問いに対する答えを定義しきれずにいて……。

 

また、社会のニーズや環境が目まぐるしく変わっていく中で、「これまでと同じことをしてい

て大丈夫なのだろうか」という漠然とした不安もありましたね。

今後はターゲットや商品をもっとしっかり絞って、会社の看板となるような製品をマーケットに打ち出していかないと、埋もれてしまうのではないかと懸念していました。

 

 

 

 ミスターマーケティングに依頼するに至った決め手はなんですか?

森社長:定期的に開かれている経営者向けのセミナーに参加したのが最初の出会いでした。

正直なところ期待半分、疑い半分で参加しましたが(笑)、そのセミナーでの話の内容は核心をついたものでしたし、紹介された事例にも説得力があったので、終了時にはミスターマーケティングさんにお願いしようと心が決まっていました。もちろん、セミナーの段階で100%の信頼があったわけではないけれど、動いてみないと何も始まりませんからね。

 

コンサルティングのスタートにあたり、参加メンバーはどのように選出しましたか?

森社長:営業部の優秀な社員として、今後の要となってもらうべく髙野を抜擢しました。

コンサルティングをきっかけに事業で成果を出すためでもありますが、これを機に本人もより成長してくれればと期待しての選出でしたね。

 

髙野様:社長からコンサルティングへの参加の声をかけてもらった当初は状況がよくわかっておらず、正直なところ不安もありましたが、せっかく機会を与えてもらったのだからできるかぎり頑張りたいと思っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分たちの現状を知り、強みを活かした尖ったサービスを確立。内部の人間だけではできなかったと思う

コンサルティングではまずどんなことに取り組みましたか?

森社長:最初は会社の“想い”の整理や、コンサルティングのテーマ設定から始めました。今回の取り組みで何を目指すのかを確認したり、プロジェクト名を決めたり、改めて新ためて自分達のやっている事業の存在意義を確認したりと、いわゆるキックオフです。

しかし、ここが自社の事業のベースになっていくので、非常に有意義な時間でした。

それから、自分たちができることや得意なこと、会社がもつ強みなどを客観的に分析しました。

そうやって現状を把握すると、自ずと課題も見えてきました。事業に対する想いと併せて整理し、文章にまとめました。すると、これまで漠然としていたことが明らかになり、胸がすくような感覚でしたよ。

会社を経営していて、または組織の中で長く働いていて最も難しいことのひとつが、自社を正しく知ることでしょう。“見えているつもり”になってしまうんですよね。

ミスターマーケティングさんが客観的な視点で、例えば「どういう切り口で分析すべきか」などのアドバイスをくれたり、私たちのことを第3者目線で分析したりしてくれて、自社について真に理解できたと感じています。

この理解が、競合には真似できない差別化されたカテゴリーキラーの創出につながるのだと、今はしっかりと分かっています。

 

現状が明確になった後の流れも教えてください。

森社長:準備段階を経て、いよいよ“具体的にどんな手を打っていくべきか”を考えました。結論としては、戦略的にターゲットを絞って、強みとなる製品・サービスをひとつ打ち出す、すなわち“カテゴリーキラー化”することが必要だという考えに至りました。

そうして完成したのが、厨房機器・食品機器メーカー専門の『ステンレス鋳物のプロ』というサービスです。

悩みどころは提供する鋳物素材を特化することと、ターゲットの絞り込みでしたね。当社にはさまざまな種類の素材(例えば、鉄、アルミ、銅、ステンレスなど)で鋳物をつくる技術があるので、多様な商品を幅広い業界に向けて展開していくこともできます。

そのため「鋳物素材と、ターゲットをここまで狭めていいものか」との迷いもありました。しかしそこはミスターマーケティングさんが「尖らせなければ勝てない」とバサっと切ってくれました。

ちなみに、厨房機器・食品機器メーカーを選んだ理由は、当社としてすでに取引の実績があること、そして業界が抱える課題と当社の製品の相性が極めてよいと判断したからです。

ステンレスは、鉄などと違ってサビが出ないという性質をもっています。異物混入に対して特別に過敏である“食”に携わる業界では、きっと重宝されるだろうと考えました。 

高い開発力や製造技術、徹底した検品体制など、自社が80年程で培ってきた強みを、ターゲットのニーズに対してしっかり活かせる、ということです。

この決定も、ミスターマーケティングさんと行った業界研究による情報があってのことでしたね。

そうやって打ち出すべくカテゴリーキラーと、そのコンセプトが決まった後は、サービスのネーミングやタグラインを開発しました。

それが先にお伝えした、厨房機器・食品機器メーカー専門 ものづくり設計サポーター『ステンレス鋳物のプロ』です。

これまであまり意識してこなかったんですが、改めて世の中のプロダクトやサービスを見渡すと、印象に強く残るものは必ず秀逸なネーミングやタグラインがあるんですよね。 

今では、ミスターマーケティングさんが啓蒙されている、「ブランディングの成否は、言葉の開発で決まる」ということがよく理解できます。

 

 

 

《ネーミングを元に開発したロゴマーク、タグライン(ロゴマーク下)、キャッチコピー(ロゴマーク上)》

 

 

 

 

 『ステンレス鋳物のプロ』を確立後には各種ブランディングツールもつくられたようですが、効果はいかがですか?

髙野様: 具体的には、ロゴマークやパンフレット、ウェブサイトを制作しました。

コンサルティングで「モリチュウはどんな会社で、何が強みなのか」を明確にできたおかげで、モリチュウらしい要素をデザインに注入できたと思います。

パンフレットや『ステンレス鋳物のプロ』のウェブサイトについては、コンサルティングで設計された唯一性などをしっかりと謳えていて、より的確に情報が伝わりやすくなったと感動しています。

自信をもってお客様に対峙できるようになりましたね。

 

《ステンレス鋳物のプロ サービスパンフレット》

 

 

 

《ステンレス鋳物のプロ ウェブサイト https://suspro.morichu.co.jp/

 

 

 

コロナ禍という逆境の中でも案件数は5倍に増加! 社員の成長や組織の意識改革にも成功!

 

『ステンレス鋳物のプロ』について、現時点でどのように評価していますか?

森社長:当社の強みを活かした、業界内で唯一無二のポジションを確立できており、大変満足しています。

技術力は別の話として、他社にもステンレスで鋳物を作るところはありますが、彼らを見てみると、大きなマーケットに向けて事業を展開しており、私たちのようにターゲットを絞って踏み込んだ営業をしている様子はありません。

ライバルが注力していない業界を発見し、いち早くそこに入り込んで、絞り込んだターゲットの抱える課題やニーズに対して、強みを活かしたビジネススタイルを展開して確かな信頼を築く……。このように、今の当社の動きは、まさに今回のコンサルティングの賜物といえるでしょう。

すると、『ステンレス鋳物のプロ』に興味をもってくれたお客様から「ステンレスだけじゃなく、他の鋳物もモリチュウさんにお願いしたい」と声をかけてもらえることもあって。期待以上の広がりを見せています。

 

 

 

制作したウェブサイトも継続的に運用されていますよね。

髙野様:社長の森が毎月1本、コラムを執筆しております。そして営業メンバーは、そのコラムを印刷して、お客様先へお持ちしているんですよ。

“毎月コラムが更新される=毎月訪問の機会ができる”ということですから、社長には今後も頑張っていただきたいと思っています(笑)。

ステンレス鋳物の導入実績なども上がり次第、随時追加して行く予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

売上やお問い合わせの件数など、数字的な変化はありましたか?

森社長:実は今回のコンサルティングを終え、いざ動き出そうというタイミングで新型コロナが流行しはじめて、ターゲットの業界が大変な打撃を受けてしまいました。

私たちも出鼻をくじかれる形となりましたが、それでも昨年の前期には売上がコロナ前の水準に戻り、今期から来期にかけては成長する兆しが見えています。

そのため、現段階で顕著に伸びていると言えるのは問い合わせや注文の件数ですね。ウェブサイト経由のものを含めてお問い合わせが増え、髙野はその対応に追われております。

既存のお客様へのフォローに影響が出ている状態なので、新規の営業は、新卒を含めた若手社員に任せることにしました。

こうした体制を組めるのは、やはりコンサルティングの中でつくったツールがあるからです。経験が浅い社員でも、綿密に作り上げられたパンフレットに沿って語れば、当社のことをしっかりと伝えてこられています。

ウェブサイトもご案内しておけば、打ち合わせ時間内にお伝えできなかった、細かな情報や導入実績なども、お客様にゆっくり見て頂けますから。

 

 

髙野様:現在進行中の案件の数は、コンサルティング前と比べて約5倍以上になりました。具体的な数としては、複雑な対応が求められる案件を社長が5件前後、私はそれ以外の30件弱を私が担当しています。

コンサルティング以前は、社長が中心に案件を抱えていて、私が担当していたものはわずかだったことを考えると、かなり忙しくなっていると感じます。

今回のプロジェクトを通じて、少しは成長できたのかなと思っています。

 

 

髙野さんの成長も、コンサルティングの大きな収穫のひとつだったんですね。

森社長:これまでは、お客様は何かあれば私に電話を頂いていました。しかし今は、みなさん髙野に連絡をくれるようになっていて、私に時間の余裕ができたんです。毎月コラムを書けているのもそのおかげなんですよ。

コンサルティングが始まったばかりの頃、髙野は後ろ向きな発言をすることが多く、カチンとくることもしばしばありました(笑)。

しかし、指導が進むに従って前向きな発言がどんどん増え、自ら提案してくるようになりました。

さらに、コンサルティング終了後は自信をもって営業に臨めるようになり、それに伴って売上も上がり、確かな達成感を得られたのでしょう。

今、彼は本当に堂々と仕事をしています。少し調子に乗っている位ですよ(笑)。

次は、“第2、第3の髙野”を育てたいですね。

コンサルティングに参加していないメンバーに変化はありましたか?

森社長:社員全員が「モリチュウはステンレス鋳物をやっていくんだ」という意識を明確にもつようになりました。

コンサルティングの最中は、プロジェクトに参加していない社員は「何かやっているぞ」くらいの反応でしたが、新たにつくり上げたサービスのパンフレットやウェブサイトを見たことで、意識が変わりました。

会社の方針を理解し、加えて「これまで自分たちが当たり前のようにやっていた仕事は、外から見たら強みなんだ」と気づいたようです。

髙野様:例えば、強みのひとつに検品体制を掲げているのですが、工場のメンバーも「自分の仕事が事業の要だ」とより強く意識してくれるようになったと思います。

納得感があるから実戦できちんと学びが生きる。“よきパートナー”に出会えてよかった

貴社が見据える“次のステップ”について教えてください。

森社長:まだ詳しくはお話できませんが、現在ミスターマーケティングさんの指導を受けて、新しいプロジェクトを進行しています。

コンサルティングを通じて導き出した、新たなマーケットに仕かけていくのが楽しみです。

また『ステンレス鋳物のプロ』に関しては、最初につくった方針を見直すタイミングにきていると考えています。

大きな方向性を変えるという意味ではなく、よりお客様のニーズにフィットする形に進化させていかなければと考えています。

実際に営業する中で、コンサルティングの際に立てたいくつかの仮説が正しかったのか、もしくは少しずれていたかということが徐々に見えてきましたから。

サービスをリリースしておしまいではなく、分析とブラッシュアップを続けていくことで、カテゴリーキラーを真に強く差別化されたものにしていけるのだと確信しています。

コンサルティング全体を振り返って、ミスターマーケティングをどのように評価しますか?

森社長:ミスターマーケティングさんのコンサルティングは、とてもわかりやすいんです。明瞭なステップがあって、どういう道順でどんなゴールに辿り着くかが見える。「よくわからないけどこの結論になった」などということは一切ありませんでした。

きちんと腑に落ちるから、実戦でちゃんと学びを活かせるんですよ。

あとは、話をよく聞いてくれることも魅力でしたね。特に経営者は、日頃から不安を抱えているものです。

しかも、社員にその不安を明け透けに話すわけにはいかないですから、孤独感があると思うんです。

そんなとき、話を聞いてくれて、それに対して、豊富な経験をもとに解答やヒントをくれる。ミスターマーケティングさんの存在は大変ありがたかったですね。

今後の事業成長の道筋を見通せただけではなく、本当によきパートナーを得られたと思っていますよ。

これからも力を借りながら、社員一丸となって自社らしく進んでいこうと思います。