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当社のコンサルティングをご利用いただいたお客様がどのような経緯で当社へご依頼いただいたのか。当社のコンサルティングをご利用されてどのような変化があったかなど、インタビュー形式でお伺いしております。

※インタビュー記事は、お客様の特別な許可を頂いて、掲載させて頂いております。

売上は10倍以上、10万台売れるカテゴリーキラーになりました!・・・TV番組「がっちりマンデー」で、お決まりのポーズを皆でやりました。 ―家電製品のカテゴリーキラー化(リブランディング)ー

石崎 博章様

株式会社石崎電機製作所

代表取締役: 石崎 博章

「ミスターマーケティングと出会わなければ、今の会社はなかった」

ミスターマーケティングと出会っ石崎 博章様2たきっかけを教えてください。

石崎社長:5~6年前に、古田土会計事務所さんが主催されていた異業種交流会で、ミスターマーケティングさんをご紹介いただきました。古田土会計さんには、「交流会はミスマッチが多いですよね」と伝えていたのですが、ピンポイントでミスターマーケティングさんの名を挙げてこられて(笑)。おそらく、弊社に不足している部分をカバーできるのでは、という想いで引き合わせてくださったのではないかと考えています。私の中で、異業種交流の唯一の成功例ですね。

その時、御社が抱えていた課題とはいったい何だったのでしょうか。

石崎社長:私は昔ながらの人間でしたから、当時、「いい商品であれば売れる」と考えていました。言ってしまえば、「買わない方がバカだ」と。宣伝が全く追いついてなかったんです。

でも、もうそういう時代じゃないんだ、商品の魅力を発信していかなければならないんだ、というお話をばっさりとしていただき、「あ、その通りだな」と腑に落ちたんですね。「もっと話を聞きたい!」、「もっと売れるようにしてよ!」と思いました。

その後、ミスターマーケティングさんから「歴史があるというのは強みですよね」と指摘されました。その指摘があって、はっとしたんです。会社の歴史という強みを全く活かしていなかったと、反省しましたね。

我が社の大黒柱である「電熱」を紐解いていって、今、その技術を活かしてどういう商品が作れるのか?ということを考えたんですが、ちょうどその時、アイロンの開発をしている途上だったんですね。モノとしてはかなり出来上がっていたのですが、売り方にとても困っていました。

というのも、当時の我が社は安いアイロンを作るのが得意で、日本で一番安くアイロンを販売していたと思います。年間で、約40万台は売れていましたし。しかし、時代が変わってバイヤーが直接買い付けるようになると、価格では競争できなくなってきました。

では、どう売り出すか? それを考えあぐねているタイミングでミスターマーケティングさんに巡りあったことで、後のヒット商品「男前アイロン」が生まれたんです。ミスターマーケティングさんに出会わなかったら、今の会社はなかったと思います。

具体的に、どうプロジェクトを組んで進められたのでしょう?

石崎社長:半年から1年ぐらいかけて、競合調査も含めて地道にプロジェクトを進めていきました。最初は戦略の類が未経験ということもあり、正直「戦略構築ってこんなに時間がかかるのか」「コストをかけすぎじゃないの?」と驚きましたし、疑念も湧いたのですが、あとから考えると手間暇かけるだけの価値が実際にあったし、今でもメリットを享受できていると思います。

プロジェクトには私と、管理責任者、営業責任者などが参加していました。「時間はかかるけれども、正しい方向に進んでいる」という確信があったので、私が先頭に立って旗を振っていましたね。

一番手ごたえを感じたのは、どういう瞬間でしたか?

石崎社長:やはりネーミングですね。最初に「男前アイロン」というアイデアが出てきた時には、「なーに言ってんだ」という感じでした(笑)。「ウチの社員だったらひっぱたいてるぞ」と。 ところが、他の名前も案として色々出て来ていたんですが、如何せんどれひとつとしてピンと来なかった。「男前アイロン」だけが胸に引っかかっていたんですね。「これでいくのも恥ずかしいな」という思いがあったので、お客様のところに伺ってご相談したのですが、ある商社の社長さんが「それ、面白いね」「手に取ってくれるよね」と言ってくださったんです。

それを聞いた時、「あ、これはいけるぞ」と思いました。「まず、手に取ってもらえる」というのはすごく大事なことなんです。「何だこれ、『男前アイロン』なんてバカじゃないの」と思われても、少なくとも手に取って、バックボードに「創業八十有余年の業務用電熱メーカーが作った家庭用スチームアイロンです」と書かれていれば納得がいくんじゃないか、と考えました。

創業87年の老舗だからこそ活きる、「ユニーク&ユーモア」というモットー

 

石崎社長:ミスターマーケティングさんか男前アイロン1ら指摘されたのは「『ユニーク&ユーモア』を会社のひとつのテーマにしてはどうか」ということでした。また「なーに言ってんだ」とは思ったんですけど、「それが社長のキャラクターでしょ?」と言われて、「なんだ、じゃあしょうがないな」と(笑)。真面目にはやるんですけど、どこかに遊び心を盛り込んで、クスっと笑ってもらえるようにするんです。

周囲からの反対を受けながら、よく決断されましたね。

石崎社長:やるしかなかったですからね。勇気がなければ改革はできないし、決断はできない。

ミスターマーケティングさんの指導を受ける中で、人と違うことをしていくことが重要だと分かってきました。今までは同質競争の中で、多少性能やデザインがよくても、最終的には価格で選ばれていたんです。そういう状況から脱却したかったというのもあります。

「男前アイロン」は2012年に発売したのですが、最初はやっぱり思うように売れなかったんですよね。ところが、そうこうしているうちに『日経MJ』『PEN』『BEGIN』といった新聞、雑誌に取り上げられて、その後TBSの「朝ズバッ!」から2013年1月に取材を受けたんです。そこから完全に火がつきましたね。

放送後、すぐさま欠品が起きたのですが、ちょうど中国の旧正月の時期だったので中国にある工場は動いてくれません。電化製品は製造に60日から90日程度かかるということもあり、納品できるとしたら3月になります。2ヶ月くらい間があいてしまい、その間にTV朝日の「スーパーJチャンネル」にも取り上げられたので、「欠品するとは何事か!」とめちゃくちゃ怒られましたね。また、テレビ番組でいえば土曜日夜の「SmaSTATION!!」というSMAPの香取慎吾さんがやっているテレビに取り上げてもらったり、あと大きかったのは日曜日朝の人気番組「がっちりマンデー」の中小企業の家電特集で、数社紹介される中、トップバッターで「男前アイロン」を紹介して頂きました。

その際は、お決まりの「男前アイロンでがっちり!」のポーズを皆でやったのですが、社員のモチベーションもあがり、会社イメージとしてもインパクトのあるPRにつながりました。そうこうして、「男前アイロン」は結果として、従来のアイロンの約10倍以上の売り上げになりましたね。台数としては、10万台を超える実績を残しました。

人の裏をかいたり、意外性のあることだったり、そうしたギャップが効いていたんだと思います。それは、ミスターマーケティングさんとのプロジェクトがなければ起こらなかった化学反応ですね。

「男前アイロン」の発売後、「こういうアイロンを待ってました!」というお声を数多くいただきました。そこではじめて「こんなにニーズがあったんだ」と驚きましたね。

現場の社員を巻き込んで、新たなプロジェクトを発足

男前アイロン2「男前アイロン」のヒット後、御社の中で変わったと感じることはありますか?

石崎社長:だんだん、会社が面白くなってきました。ホットサンドメーカーのリニューアルにあたっても、社員がアイデアを出しやすくなりましたし。「ユニーク&ユーモア」を少しずつ実践していっているように感じます。

リニューアルの対象となったホットサンドメーカーは、一度発売したはいいものの、あまり売上が芳しくなかった商品でした。「いいモノなのに売れないね」ということで、モデルとネーミングを変えることで見せ方を変えて売り出したいと、ミスターマーケティングさんに、続けて指導を依頼したんです。

そのプロジェクトでは、「男前アイロン」の時とは異なり、指導の範囲を広げて頂き、現場の社員を巻き込んでいきました。営業部にもどんどんアイデアを出してもらったり、「Eggs’n Things」(パンケーキカフェ)に行って実際に食べてくるよう指導したりしたんです。

結果から言うと、「モテナシベーカー」というネーミングで、同じモノとは思えないような製品に生まれ変わりました。お客様からも「石崎さん、最近違うね」という声をいただけるようになりましたね。『ヒルナンデス』というお昼の情報番組で、家電俳優の細川茂樹さんに取りあげて頂いていたりして、以前と比較すると売上も上がり、トータルで4~5倍に伸びました。

あと最後に、実は「男前アイロン」や「モテナシベーカー」の成功を見て、当社のような中小企業にも、大手企業に努めていた優秀な若手の人財が応募するようになってきました。商品のブランドは、企業価値を上げて人財や組織にまで影響するんだ、ということを実感しました。

今後のミスターマーケティングに期待したいことはなんですか?

石崎様:ミスターマーケティングさんは、商品のブランディングなどの戦略構築がとてもうまいと思っています。中小企業の商品の企画から販売やプロモーションまでで、一環して指導できるところは他にはないのではないでしょうか。当社も思うようなことが少しずつできつつあるような気がしているのですが、まだまだ営業力が弱いので、そちらも教えていただきたいと思っています。ミスターマーケティングさん、今後とも変わらぬご指導をよろしくお願いします。

 

 

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