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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第111話 営業・販路開拓でお悩みの法人営業企業の方へ

会社として、『売れるモノ』をつくりたい。

そして、今は、わたしが、営業を中心に回っていますが、今後は、各営業マンが自ら提案し、成約を勝ち取ってくるような、そんな組織にしていきたいです

と、先日、コンサルティングのご相談にいらした経営者の方が、お話ししてくれました。


 

こちらの会社は、長らく製造業に従事しており、BtoB(Business to Business(会社対会社取引))という法人企業に対して、基本的に顧客の要望に合うものをつくる、という受託型の事業を行ってきました。

 

しかし、コロナもあり、業界全体が厳しくなってしまっている中で、なんとか、会社の営業力を伸ばして販路開拓をしていきたい、という考えがありました。

 

同社の「売れるモノ」といっても、ものづくり企業ではありますが、何かの自社製品を販売していく、という事業形態ではなく、あくまでも、これまで培ってきた技術力を頼りに、その施術力を、もっと色々なお客様に伝えていくことで、さらなる案件を獲得することを考えていたようです。

 

ただ、同社の悩みは、技術力と言ってみたものの、何が自社のウリになるのかが、さっぱり見当付かないとのことでした。

 

また、もちろん自社製品を開発して、それを販売していくことも選択肢としては可能なのですが、何をテーマとして、取り組んでいくかは、やはり重要な意思決定が伴います。

 

よって、何を『売れるモノ』にしていくのか、つまり当社で言うところの、カテゴリーキラー化していくかについては、慎重に考えていく必要があります。

 

※「カテゴリーキラー」とは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。

 

 

さて、皆さんの、経営上の課題は、今、何でしょうか?

 

色々、考えられますが、売上・利益の向上、人材育成、資金繰りなど、経営者の悩みは尽きません。

 

ここで参考として、ご紹介したいのが、2020年度版の中小企業白書です。

中小企業庁が、毎年、中小企業を調査して発表している白書なのですが、こちらを見ていくと、規模や業種を問わず、中小企業が直面する重要と考える経営課題は、

 

・人材(人材の確保・育成、後継者の育成・決定)

 

・営業・販路開拓(営業力・販売力の維持強化、国内の新規顧客・販路の開拓、海外の新規顧客・販路の開拓)

 

と回答する者の割合が6割を超えている、とありました。

 

つまり、上記のこの2つが中小企業の経営課題の1位、2位を占めます。

 

人材については、言わずもがなですが、最近は、労働力の確保、という観点でも、なかなか人材採用が進まないという話を聞きます。

そして、採用できたとしても、育成し、定着してもらえるのかも、大きな課題です。

大企業のように、たくさん採用して、その中で残っていけばいいという考え方もありますが、中小企業においては、そもそも採用できる人数も限られている中で、実際やめてもらってしまっては困る、ということも正直ツラい現実です。

 

また、事業承継も依然、大きな課題であることには変わりありません。団塊世代の経営者が、70代半ばから後半あたりにさしかかっていることを考えると、年齢的にも経営者の引退が考えられますので、簡単な問題ではありません。

 

 

一方で、もう一つの課題は、どうでしょうか?

 

・営業・販路開拓(営業力・販売力の維持強化、国内の新規顧客・販路の開拓、海外の新規顧客・販路の開拓)

 

こちらも、大きな課題です。

それはつまり、会社の売上に直結する課題だからに他なりません。

 

どんな企業も、売上を上げていかなければ、継続できないことを考えると、営業力を高めることは、どの企業も必須の課題になります。

 

ただ、「営業力」の強化が必要といっても、規模にもよりますが、多くの中小企業において実際には、社長以外に、あと1人2人とデキル営業マンがいるぐらいです。

それ以外の営業マンについては、なかなか育っていないことが、多くの中小企業をコンサルティングしてきた実感です。

 

また、中小企業の中には、少数の取引先に頼り、いつなんどき取引が停止になる、または取引先企業そのものが倒産する可能性さえあります。

そのため、絶えず新規の顧客開拓を行わなければ、自社が永続的に存在することも難しくなります。

そして、時代が目まぐるしく変わる昨今、顧客のニーズや要望もまた日々変化し、それに応えていく必要があります。

 

いずれにせよ、営業マンの「営業力」強化を図ることが大きな課題になりますが、経営者は、その「営業力」強化を、営業マンの資質と行動量に期待し過ぎてしまってはいないでしょうか?

 

実は、「営業力」強化の要諦は、その7割が、会社の取り組みにかかっています。

そして、残りの3割は、もちろん営業マン個人の努力なのです。

 

しかし、その7割の取り組みを会社が怠りながら、営業マンに、なぜ営業数字を上げてこないのか、と詰問するのは、実は、経営者自身が本来やるべき仕事を行っていないのではないでしょうか。

 

 

さて、以前、当社のコンサルティングを受けられた企業で、ある受託型のメーカー企業がありました。

その企業も、多くの企業がそうであるように、社長が1人で、営業から企画提案、納品と、ほぼすべての営業業務を担っておりました。

 

もちろん、営業マンは他にいるのですが、独り立ちするところまでは、まだ育っておらず、営業の現場に、社長なしで売上を上げていくことは、難しい状況でした。

 

その頃、当社のセミナーに参加され、コンサルティングを行うことになりました。

 

その企業の課題は、まさに今回のご相談があった企業の内容と同様でした。つまり、

 

「会社として、『売れるモノ』をつくりたい。

そして、今は、わたしが、営業を中心に回っていますが、今後は、各営業マンが自ら提案し、成約を勝ち取ってくるような、そんな組織にしていきたいです」

 

 およそ1年にわたったコンサルティングにおいて、社長と、複数の営業マンが参加しました。

しかし、コンサルティングがスタートした当初は、社長以外の営業マンの方々は、積極的な発言があまりありませんでした。

今考えれば、積極的に発言できるほどの、営業への自信がまだなかったのだと思います。

 

しかしながら、なんとか社長を中心に戦略を作りあげ、いよいよ、その戦略で営業をスタートする頃に、なんとコロナ禍になってしまい、業界全体が大打撃を受けてしまいました。

 

それでもあきらめずに、社長含めて営業マン全員で営業を必死にやり抜きました。

 

 

その後、コロナ発生からおよそ2年たったころ、その企業の経営者と、営業マンとお会いする機会がありました。

 

いかがですか? とその後の経過を聞かせて頂いたところ、売上は、コロナ前までの水準まで戻ってきました、と、安堵の表情で社長が話してくれました。

 

そして、何よりも驚いたのが、社長の隣にいた、一緒にコンサルティングに参加された営業マンの表情です。

 

コンサルティング中は、どこか頼りなかった営業マンが、自信にあふれた表情で、前に座っていたのです。

 

それもそのはず、以前は社長が、ほぼすべての案件を回していた体制から、今では、5倍以上に増えた案件を、なんと、その営業マンだけで抱え、切り盛りしているとのことでした。

 

それだけ案件が増えた理由には、もちろん社長を始めとして、営業メンバーの頑張りがありました。

しかし、もちろん、これまでも営業マンは頑張ってきたのです。ただ、なかなか結果が伴ってきませんでした。

 

その理由とは、営業マンがお客様に自信を持って提案すべき「売れるモノ」、つまりカテゴリーキラーがありませんでした。

そして、自社の良さを魅力的に伝えていくパンフレットやウェブサイトなどのツールもありませんでした。

 

コンサルティングを通じてカタチにしていった、営業マンにしてあげるべき会社の重要な取り組みとは、ターゲットとする顧客に提供すべき、会社としての魅力的な「価値」を見いだし、磨き上げ、価値あるモノとして、提案できるような環境や体制、仕組みを作りあげていくことです。

 

また、営業現場の実践で、どのように顧客と商談していくのか、そのような視点での手法の確立なども必要です。つまり自社の「価値」を最大化させていくための取り組みもまた、営業マン任せにせずに、経営者自らが考えていくことも重要です。

 

このような取り組みこそが、まさに、前述した「営業力」強化の要諦は、その7割が、会社の取り組みにかかっていることになるのです。

 

 

コンサルティングを通じて、自信にあふれる営業マンの表情を、これまでに何人も見てきましたが、この営業マンの方も例外なく、社長が、「少し調子に乗っているぐらいだ」と、冗談を言うほど、大きく成長した姿は、とても頼もしく思えます。

 

 

時間が多少かかったとしても、営業マンに一度付いた自信と、確立されたカテゴリーキラーによって、これから何年もの間、社長が自ら奔走せずとも、売上と利益をもたらしてくれるようになります。

 

もし、あなたが、営業や販路開拓にお悩みだとしたら、今一度、会社として、営業マンに対して、どんな取り組みができるのか、そして、どんなことに取り組むと「自走できる営業マン、営業チーム」として成長していけるのか、について考える機会をつくってもよいかもしれません。

 

そのことが、結果として、会社に売上、利益をもたらし、社長が、営業だけではなく、いわゆる経営に専念できる体制につながっていくのではないでしょうか。

 

今一度、何に会社が取り組むべきか、を考えてみて頂けたらと思います。

 

 

追伸

本コラムで、お伝えした営業力の強化については、8月29日に出版しました、当社の新刊書籍「中小企業経営者のための法人営業力強化戦略 ~誰も教えてくれなかった3つのプロセスで営業チームが劇的に変わる~」で、詳しく書いております。

 

もし営業や販路開拓でお悩みの方は、きっと何かのヒントをつかんでいただけると思います。

 

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株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

吉田 隆太