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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第115話 2023年の「方針」を決める

事業の方針や方向性が明確ではなく、社員の行っていることがバラバラで、売上も下がってきました。このままいくと組織としてもうまくいかず、少ない人手の中で社員が会社を辞めてしまい、事業がますますジリ貧になっていきそうです

と、先日、ご相談にいらした経営者の方が、現在の課題を話してくれました。


外部環境がめまぐるしく変わる中で、企業が生き残っていくために、今後の会社や事業としての「方針」を打ち立てていくことは、間違いなく、経営者や事業責任者の大きな仕事の1つです。

 

「方針」という言葉を調べると、

1.磁石の、方位をさす針。磁針。

2.めざす方向。また、ある事柄を行なう上で、基本とする行ない方。

と書いてあります。

 

まさに荒れ狂う波の中で、船長である経営者や事業責任者が、企業や事業をどの方向に向かわせるのかを示していくことが大切です。

そして、この「方針」を決めることは、社員にとっても安心して航海の一員として、仕事に取り組むことにもつながり、それこそ社員一丸となって荒波に立ち向かい、乗り越えていく大きなモチベーションともなります。

 

冒頭の経営者も、これまで事業として「何に取り組むとよいのか」といった戦術レベルを、一生懸命考えてきたのですが、そもそも事業として、「どうなっていきたいか」といった「方針」や「方向性」について考えることが、後回しになってきてしまったようです。

 

もちろん売上が上がり続けてきたときは、それでも良かったのだと思います。

 

しかし、売上が下がり始め、今後、外部環境が改善していくとはあまり考えられない中で、今、「方針」や「方向性」を考えていかないと、事業がジリ貧になっていくことは、火を見るより明らかです。

 

そのためにも、具体的に、誰のための、何のための事業にしていくかなどの「方針」を明確にして、社員と向かうべき「方向性」を一致させていくことは、今まさに取り組むべき大きな課題です。

 

そして、できれば、それをひと言で表せるような「言葉」で示していくことが大切です。具体的には、自社や事業が「何屋」なのか、を表現することです。

(「方針」については、会社によって色々な解釈や書き方がありますので、ひとつの例として参考にしてください)

 

しかし、ただやっていることを業種や業態として表現しても、埋もれてしまうだけとなります。

 

○○製造業、○○卸売業、○○小売業、○○サービス業、といった言葉で表現しても、どこにでもよくある企業や事業と思われてしまい、買い手にとっても、その違いを感じることができません。

 

例えば、わかりやすくお伝えすると、経営者も付き合いのある税理士、社労士、または、その他に、建築士、などいわゆる士業をイメージしたときに、ただ単に、税理士、社労士をやっていますと伝えられて、やっていることはわかりますが、その他の士業との違いについてはわかりづらいと思います。

 

やっている物事についての独自性や、またその企業や事業の「自社らしさ」というものも必要になります。

そのことが明確になることで、社員もまた「何に取り組むとよいのか」ということがイメージできるようになります。

 

このことを具体的な企業の実例でお伝えすると、もう少し理解して頂けると思いますので、1つ挙げてみましょう。

 

それは誰もが知るユニクロです。

 

ユニクロといえば、どんなイメージでしょうか。

 

アパレル領域において、しっかりした縫製で洋服づくりを行い、それを低価格で販売しています。ユニクロが作った有名な商品だと、フリースやヒートテック、エアリズムなどが挙げられ、ご存じでしょう。

 

また、SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel」の略称)と言って、アパレルの業態を示す用語で、自ら企画した衣料品に特化し、直営店で販売する製造小売業の日本における先駆けと言ってもよいでしょう。

 

ただ、今では、SPAや洋服の製造小売業、といった言葉、低価格で良い洋服作り、といった企業は、他にもあります。世界的にも、ZARAやH&M、GAPなどがそれらに当たります。

 

SPAや洋服の製造小売業、といった言葉や、低価格で良い洋服作り、といった事業内容についての「言葉」で、ユニクロという企業を「何屋」かを表現しても、他にもあるよね、と思われてしまいます。

 

つまり、やっている物事についての独自性や、またその企業や事業の「自社らしさ」がありません。

 

そこでユニクロは、2013年に、あまり流行を追わずに生活に必要なベーシックなアイテムをベースにした品揃えや服づくりを表現した「LifeWear」という言葉を、造語として創り出しました。

 

ユニクロのサイトには、「LifeWear」を以下のように定義づけています。

 

LifeWearとは、あらゆる人の生活を、より豊かにするための服。

 美意識ある合理性をもち、シンプルで上質、そして細部への工夫に満ちている。

 生活ニーズから考え抜かれ、進化し続ける普段着です。」

 

この「LifeWear」という言葉の意味を持つ「定義」からずれない、洋服づくりや事業づくりを行っていくことが、社員には求められます。

もちろん、これはお客様に向けたメッセージにもなります。

 

これが、自社や事業が「何屋」なのかを表現し、向かうべき「方向性」や、社員がやるべき事柄の「方針」ともなり得ます。

 

当社クライアントにおいても、自社や事業を、一言で言うと、どのような表現になるのか、このようなコンサルティングをいくつも行ってまいりました。

 

業種では、ものづくりなどの製造業、アパレル事業もありますし、卸売業、店舗業や税務サービス業などがあります。

(それらの実例については、当社サイトの「お悩み解決事例」をご覧頂けましたらと存じます)

 

さて、2023年がいよいよスタートしました。今年の貴社事業における「方針」はどんなものでしょうか?

 

どうしても目の前の課題に追われがちで、中長期的に物事を考えることが難しい場合がありますが、それでも、人件費などの固定費や、売上の下降などは、待ったなしで、事業をジリ貧にしていきます。

 

お金や時間を無駄にしていく前に、年が変わったことを契機に、ここでいったん腰を据えて、自社や事業の方針づくりに、取り組んでいくと良いと思います。

 

あなたの事業は2023年、どのような「方針」で取り組まれますか?

 

追伸

前述したように、当社のこれまでのコンサルティング実績において、ものづくりなどの製造業、アパレル事業もありますし、卸売業、店舗業や税務サービス業、サービス業などの具体的な実例もございます。どのように「方針」を定めていったら良いのかを、あらゆる業種で応用可能な、具体的なステップに基づいて解説するセミナーを隔月で行っています。

 

直近では、118()、そして314()に開催いたします。

ご興味のある方は、以下サイトから、詳細をご確認ください。

セミナーサイトはこちらから

   

株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

吉田 隆太