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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第87話 なぜ、サービス業にカテゴリーキラーは必要なのか?


先生、色々とお話させていただく中で、当社の強みを引き出していただけたのが、うれしかったです。この強みは、確かに他の会社は絶対にできません。」

 

現在、コンサルティングを行っている経営者が、セッションの終わりに感想をお話ししてくれました。

 

※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。


 

ここのところ、製造業だけではなく、サービス業のコンサルティングが増えてまいりました。

サービス業、といっても様々ですが、消費者向けの店舗サービス業、会社などに対するBtoB向けのサポート業や士業などです。

 

当社のコンサルティングは、特に業界業種は特化していません。

どんな業界業種であっても、自社や商品、サービスの価値を見出して、顧客に届ける、というプロセスにおいては変わりがないと考えているからです。

そして、顧客の立場に立ったときに、その会社の商品やサービスが、魅力的に伝わってくる物事なのか、そのことの見極めが大切です。

 

もし、どんなに素晴らしいサービスや、どんなに素晴らしい製品を提供していても、第三者である我々コンサルタントにも伝わってくるものでなければ、そのサービスや製品は売れていきません。

そのことを企業は、客観的に評価していかなければなりません。

 

サービス業というのは、当たり前ですが、目に見えないものを売っています。

よって、例えば店舗などの目に見えるものがあるような業態であっても、実際にサービスを受けるまで、どんな価値を提供してもらえるのかは、体験するまでわかりません。

(例えば、ホテルや旅館であれば、写真などで、建物の雰囲気や室内、料理やお風呂などの様子はわかりますが、過ごしてみないと、その価値を体験することはできません。また、その他にも医療やマッサージなどにおいても、店舗の雰囲気はわかりますが、実際に体験しないと、その良し悪しが判断できないということです)

 

最近コンサルティングにいらっしゃるサービス業の多くの方が、良いサービスを提供していると思っているのだけれども、また、これまで実績も積み重ねてきているのだけれども、改めて、自社の価値を見出して、もっと魅力的に見込客に伝え、顧客獲得をしていきたい、という目的で、いらっしゃっています。

 

冒頭の発言をされた、このサービス業の経営者も、まさにそのような課題をもっていました。

 

しかし、自社の強みをお話ししていただく中でも、今ひとつピンとくるものがなかったことから、これまでの実績を含めて取り組んだ内容などを、1つ1つ質問を通じて。掘り下げて聞いていきました。

 

そうしたところ、この会社の取り組んでいる内容は、そこまでやるのか、といった他社ではやれないようなことが数多く出てきました。

 

そうなると、ただ表面的に考えていた強みよりも、もっと、より顧客に寄り添った深い強みをあぶり出していくことができます。そこに、その同業他社と比べたときの唯一性を見出すことができます。

 

さらに言うと、顧客の、お困りごとの中でも、特に深いレベルまで解決してくれることが、魅力的に顧客に伝われば、同業他社はやっていないので、その会社を選ばざるを得ません。つまり、価格競争に陥らずに、質の高いサービスを提供することができるようになります。

(この価格競争に陥らずに、質の高いサービスこそが、競合との圧倒的な違いを生み出す、市場や業界の中で突出した存在としての「カテゴリーキラー」となります。)

 

そんなことが見えてきて、冒頭の発言の、

 

「先生、色々とお話させていただく中で、当社の強みを引き出していただけたのが、うれしかったです。この強みは、確かに他の会社は絶対にできません。」

 

 と、お話ししてくれました。

 

ところで、選ばれる会社になるということはどういうことでしょうか。選ばれるための理由は、もちろん様々あるでしょう。

 

その1つが、価格に間違いありません。

価格が安ければ、顧客は選んでくれます。最近の携帯電話の料金競争は、まさに基本的に似たようなサービスであれば、少しでも安いところと契約したいと思うのは当然です。

 

一方で、このコロナ禍になって、いかにして家の中で何をして過ごすのか、巣ごもり消費なんていう言葉も流行っています。

 

そんな中で成長著しい業界が、動画配信サービスです。

例えば、ECで有名なアマゾンの、Amazon Prime Video、またネットフリックス、そして、日本の会社ではU-NEXTなど、いくつかの会社が、この領域でしのぎを削っています。

 

この動画配信サービスの中でも、世界一の会員数を誇る会社はどれでしょうか?

 

それはネットフリックスです。2021年1月に入って、世界の会員数が2億人を超えたという報道がありました。そして2020年の売上は、なんと2兆6000億円だそうです。しかもサブスクリプションといって、毎月定額の課金モデルのため、安定した収益基盤を築いています。

 

まだ一人勝ちというところまではいきませんが、それでもこの動画配信サービスの中では、群を抜いている印象があります。

 

ではいったいなぜ、それほどまでに選ばれる動画配信サービスになり得たのでしょうか?

 

その理由の1つに、ネットフリックスでしか見られないオリジナルコンテンツの存在があります。

そのオリジナルコンテンツは、基本的にネットフリックス自らが制作費用を持ち、コンテンツの企画から配信までを手がけます。そのことによって、他の動画配信サービスではもちろんのこと、他のテレビ番組や映画などでも、そのオリジナルコンテンツは配信されません。

 

このことは何を意味するかというと、ネットフリックスの会員にならないと、そのオリジナルコンテンツ、つまり動画を見ることができないということです。

 

例えば、韓国ドラマとしても、日本で非常に話題になった、「愛の不時着」や「梨泰院(イテウォン)クラス」、また日本でも、「全裸監督」というドラマがあります。これらは、ネットフリックスのオリジナルコンテンツであり、ここでしか見ることができません。

 

家の中での時間が増えたといっても、無駄な時間を過ごしたいと思う人はいません。(もちろん、その無駄とは、人によって様々な解釈はありますが、ここで言いたいのは、つまらない映画やつまらないテレビなどで時間を過ごすことを指しています。)

 

そうなると、もし何か動画を見て過ごすのであれば、お金を払ってでも少しでも面白いものを見たいというのが本音でしょう。

 

ネットフリックスは、2021年には70本以上の動画のオリジナルコンテンツを配信すると発表しています。ネットフリックスでしか見られない動画を制作していくことで、顧客の囲い込みを図っていっています。

 

つまり、そこにしかないものを生み出すことが、競争が激化している動画配信サービスの業界で生き残る方法だと考えているのだと思います。

そして、このネットフリックスでしか見られない動画こそが、動画配信サービス業界における「カテゴリーキラー」コンテンツと言うことができます。

 

この「カテゴリーキラー」コンテンツを生み出していかないと、残るは、動画配信サービスの同質化であり、価格競争として一番安い会社が選ばれていくこととなります。

 

このことは、どんな業界業種でも同じことを言うことができます。

 

つまり、そこにしかない価値をいかにして見出せるか、もしくは、そこにしかない価値をいかに生み出していけるか、これが、これから生き残りをかけた1つの解なのです。

 

そして、この、そこにしかない価値として、自社の商品やサービスなど、「売る物」を、「売れるモノ」に昇華していく取り組みこそが、当社が提唱している「カテゴリーキラー」づくりです。

 

この「カテゴリーキラー」づくりに取り組まずに、漫然と経営をズルズルと続けていってしまうと、いつまで経っても、お客様から選んでもらえないサービスや店舗になってしまします。

 

そうなると、待っているのは、ネットフリックスの動画配信サービス業界でも起こるであろう、同質化であり価格競争で、粗利益率が下がってしまい厳しい経営の舵取りが待っています。

 

特にサービスの場合は、目に見えないことから、顧客に伝わるように、カタチのあるものとして「見える化」していくことが大切です。

それは、そのサービスのネーミングであったり、タグラインであったり、ビジュアルであったり、そして、パンフレットやウェブサイトなどの媒体物として、しっかりと魅力的に、カタチにすることです。

 

当社のクライアントである、ある士業の方も、非常に素晴らしいサービスを展開しているのですが、肝心のパンフレット(ここでは会社案内)がなく、例えば、当社であれば、知り合いや経営者仲間に、何かのツールで紹介することができませんでした。

 

そして、ようやく先日、当社がブランディングをお手伝いして、そのパンフレットが出来上がり、その会社のサービスがより魅力的に伝わるようになりました。

 

この、「そこにしかない価値」を見出して、魅力的に伝えることによって、つまりは「カテゴリーキラー」を生み出すことによって、当社のサービス業のクライアントにおいても、コロナをもろともせずに元気に経営している会社がいくつもあります。

 

「7割経済」という言葉があります。

コロナという環境下において、消費者の消費行動や働き方の変化などで、企業の売上が減少し、経済規模がコロナ前の7割程度まで縮小してしまっていることを示した言葉です。

 

消費者の消費にしても、会社の購買にしても、お金を払うことに対してより吟味して、価値あるものが買われるようになります。そのように考えると、これからますます、企業ごとの優勝劣敗が、はっきりしてきます。

 

その時に、果たして自社や、提供している商品やサービスは、選ばれるものとして生き残っていけるのかどうか、つまり「カテゴリーキラー」を持ち得ているのかどうか、今一度、改めて見つめ直す必要があるのではないかと思います。

 

あなたのサービスは、顧客から「選ばれる」魅力的な価値を、提示できていますか?

 

株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

吉田 隆太

 

 追伸

 コロナ禍での生き残りをかけた戦いの中で、改めて自社の価値というものを見つめ直したいという方は、当社のセミナーにご参加いただくと、そのことの必要性のみならず、改善すべきポイントも見えてくると思います。

 

 オンラインでの開催ですので、会社や自宅からご参加いただけます。

 毎月開催しておりますので、これからの戦略づくりの参考として、ご参加いただければ幸いです。

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