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COLUMN 儲かる10億円ヒット商品・事業をつくる「カテゴリーキラー戦略」コラム

第105話 「間違えてはいけない経営の次の一手」を決める2つの重要なこと

今後の事業展開として、何から手を付けていくべきか悩んでいます。

今のところ、ある投資を考えておりますが、先生はどう思われますか?

先日、製造業の経営者からご相談がありました。

 

※「カテゴリーキラー」とは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。


 

先週、いくつかの会社から、今後の事業展開について、ご相談がありました。

ご相談を受けた後、共通点があることに気づきました。

それは、経営の次の一手をどうするか、どのようなチョイスを行うべきか、という悩みでした。

 

新型コロナ感染症が少し落ちつき始め、また春になり、だんだんと暖かくなったり、いよいよ新年度が始める、このような節目にさしかかると、消費者マインドが少しずつ上向きになっているように感じます。

 

そして、一消費者としての経営者も、個人としての気分が上がるようにも思います。

そうすると、会社経営としても次はどのような展開をしようかと考え始めます。

 

これまで、およそ2年にわたる新型コロナ感染症で、もちろん会社によってですが、かなり我慢の経営が続いてきました。

いまだに世界でも色々な問題が起きていることは否めませんし、それに伴って原料高などの影響が出ていることから、外部環境に翻弄されることに変わりありませんが、だからといって、立ち止まって何もしないというわけにもいきません。

固定費は黙っていても、毎月出ていってしまうからでもあります。

 

それにしても、次の一手をどうするか、この悩みは、経営者であれば、常に常に、直面することです。

その意思決定の如何によって、会社の運命が決まってしまいます。

うまくいけば良いのですが、その投資した資金が、ただいたずらに無駄になってしまうことだってあります。

 

それでも、次の新しい売上の柱をつくるための投資を怠れば、もしかしたら、ここ数年は、なんとか食いつないでいける算段が付いていたとしても、それ以降、本当に生き残っていけるのか、という不安は常につきまといます。

 

そしてまた、投資してすぐに売上が上がるケースもありますが、時間がかかる場合もあります。

種まきをしながら水をあげ、実がなるまで丁寧に丁寧に事業を育てていく姿勢が必要です。

このように考えれば、できるだけ早いうちに、次の事業の種をまいていく意識も必要です。

ただ、どんな種をまくのか、その種に、迷うわけですね。

そして、おわかりのように、のべつまくなしに、色々な種をまけばよいというものでもありません。

 

それでは、いったい、どんな種を選ぶのがよいのか、その選定方法は何がよいのか、本コラムでは、そのことについてお伝えしていきましょう。

 

ところで、ちまたにあるビジネス書をひもとけば、その選定方法について、さまざまに述べられています。

 

主だったものだと、例えば、市場性があるのかないのか、または競合優位性が発揮できそうかどうかなど書かれていることでしょう。

それらは、重要な選定基準になりえますが、実はもっと大事なことがあります。

 

それは、我々が、これまでのコラムでも再三お伝えしている、会社の「想い」と「強み」です。

 

順を追って説明してまいりましょう。

当社がお伝えしている「想い」とは、世の中で使われる、経営理念、使命、経営目的、ビジョン、ミッション、社是など、さまざまな要素の総称を指しています。

大事なポイントは、経営者が心の底から湧き出るもの、ということです。

 

最近では日経新聞でも、「パーパス経営」という言葉を、頻繁に見かけるようになりました。

 

ただ学術的に、これまでの「ミッション」などとの言葉と厳密な違いはあるかもしれませんが、本質的には変わらないと私は考えています。

つまり、「経営目的」という言葉自体が、経営学の中で従来からあり、その言葉が、横文字として変わっているだけだと、とらえています。

 

さて、この「想い」の中でも、特に重要な要素が「ビジョン」です。

この「ビジョン」とは、将来、会社のありたい姿、なりたい姿、であり、もしくは、将来どのような社会にしたいのか、という未来のイメージのことを指しています。

 

この「ビジョン」を定めることがまずありきで、そこに到達するために、どのような事業の選択肢があるのか、を考えていくわけです。

 

そうすると、複数の選択肢が出てくる場合があるでしょう。

 

旅行で考えるとわかりやすいかもしれません。

 

現在地があって向かう目的地があります。この目的地が「ビジョン」にあたります。

 

そして、この目的地に到着するためには、徒歩、自転車、自動車、バス、タクシー、電車、船、飛行機、など様々な選択肢が考えられるでしょう。

 

ただ、選択肢を考える前に、重要なポイントがあります。

 

それは、そもそも目的地「ビジョン」が定まっていなければ、良い選択肢も浮かびませんし、仮に無理矢理、何かの選択肢を出しても、それはどこに向かうために、その選択肢をチョイスするのかがわからない、ということです。

 

そのことは、会社の経営であっても同じです。

「ビジョン」をまず定めることが、何の事業に力を入れていくかの指針となり得るのです。

 

一方で、「ビジョン」が定まったとして、次に、その複数の選択肢の中から、何をもって選んでいけば良いのでしょうか。

 

それが、会社の「強み」をベースに考えるということです。

 

会社の「強み」とは、自社の得意なこと、できること、上手だと考えられることです。

 

この「強み」をベースで選ぶとき、よりその目的地への到達がスムーズに、できるだけ早く、無駄なく進むことができる選択肢をチョイスしやすくなるでしょう。

 

もちろん、旅行で考えれば、ただ目的地にスムーズに早く無駄なく到着することが良いことだとは限りませんね。

寄り道をしたり、ゆっくり行ったり、その旅行の目的によっても、変わるでしょう。

 

ただ経営の場合、その無駄が発生するというのは、一番は、大切な会社の資金が、どんどん垂れ流されてしまうことにあります。

 

このように考えれば、得意なこと、つまり「強み」を活かすことが、資金などの無駄を最小限に抑えながら、その目的地「ビジョン」に到達する可能性を高めていくことの重要性がご理解いただけると思います。

 

以前、当社でコンサルティングを行った、ある建築士の方がいらっしゃいました。

その方は、当社へご相談にお越し頂いたときに、ご自身の建築家としての建築コンセプトを体現したモデルルームをつくりたい、とのことでした。

 

ただ、それには、数千万円の借り入れが必要で、そのことに不安があり、果たして、その投資が適切なのかどうかの客観的な意見を聞きたいということで、お越しになられたのです。

 

この投資の規模に関しては、会社の規模や投資余力によって、判断が異なってきます。

当然ですが、資金的な余裕や、返済の目処が立つような事業を行っていれば、それほど負担にはならないでしょう。

 

しかし、この方の場合は、個人で建築事務所を営んでいる方でしたので、少々負担感があるように思いました。

 

また、もう一つひっかかった点は、その建築コンセプトが、まだあまりうまく言語化できていない点でした。

その後、コンサルティングを受けられ、時間をかけて尋ねていくと、ご自身の体験からくる非常に強い「想い」を感じることができたのですが、当初のご相談の範囲では、そこまでなかなか見えてきませんでした。

 

また、「強み」も最初のご相談では見えてきませんでした。

 

建築士という職業の場合、お客様からすると、だれも皆同じようなことができるように、ひとくくりにされがちです。

 

これは、サムライ業に限ったことではなく、製造業、小売業、サービス業など、あらゆる分野における業態それぞれにおいて、お客様からすれば、どれも同じような、ひとくくりに見えてしまい、他社との違いがわかりづらい、といった差別化の不明確さがあります。

このことも大きな問題です。

 

さて、このような大きな投資が伴う場合に限らずですが、やはり取り組むべき順序や事柄が大切です。

 

この建築士の方の場合、建築士ご自身のブランディングが、まず最初に取り組むべき事柄でした。

 

つまり、その建築コンセプトを言語化して、魅力的にお客様に伝わるようにしていく、その結果、必要であれば、そのようなモデルルームをつくっても良いのだと思います。

また、ご自身の建築コンセプトが、モデルルームをつくらなくても十分に伝わるのであれば、無理に、その投資をしなくても問題ありません。

 

コンサルティングが終了した後に、建築士の方は、

「あのとき相談して、数千万円の借り入れを行わなくって良かった」

そして、

「コンサルティングを通じて、自身の建築家としての打ち出していく軸が定まった」

と話してくれました。

 

この建築士の方に限らず、今後どうすべきか、どのような手を打つべきかについて悩まれている方は、まずは、経営者自身の「想い」と会社の「強み」を掘り下げてみてください。

事業への投資は、その後でも十分に間に合いますし、次にやるべき事柄も見えてきます。

 

そして、何の事業に力を入れるにせよ、この「想い」と「強み」の、2つを丁寧に掘り下げてみないことには、次に、何をすべきかが見えてきません。

そして、何かをやらねばと焦ってしまって手当たり次第に何かを行っても、うまくいきません。

また、このまま何もやらずに手をこまねいても、時間と固定費は帰ってきません。

 

今のままで経営していくのか、それとも、新しい売上の柱となりえるようなカテゴリーキラーを生み出していくのか、この新年度に変わる機会に、真剣に考えてほしいと思います。

※「カテゴリーキラー」とは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。

 

経営の次の一手、あなたは何に決めますか?

 

追伸

 

当社のコンサルティングでは、「想い」と「強み」の2つにある程度の時間をかけて、明らかにしていくことを行います。

多くのマーケティングコンサルティング会社では、あまりこれらを重要視しないでしょう。特に「想い」からコンサルティングを行うことはほぼしません。

それは、多くのマーケティングコンサルティング会社が、「売り方」のコンサルティングに、終始しているからです。

ただ、次の売上の柱となりえるようなカテゴリーキラーを考えていく場合には、この「想い」と「強み」を検証していくことが大切になります。

 

当社では、何を事業の柱にしていくのか、そんな視点も含めて、自社の商品、サービス、事業について、カテゴリーキラーにしていくための検証できる機会として、セミナーを行っています。

2022年は、当社の「カテゴリーキラーの作り方セミナー」について、隔月に1回リアル会場(東京)で行います。また、そのセミナーは、オンラインでの配信も行いますので、どこからでも受講が可能です。

また、隔月でのセミナーを待っていられない、すぐにでもセミナーを見たいという方には、いつでもどこでも受講するができるセミナー動画のオンデマンド配信もスタートしました。

 

既存の事業にせよ、新しい事業の取り組みにせよ、カテゴリーキラーになりえる売上の柱をつくっていきたい、商品を開発していきたい、会社や商品、サービス、事業をブランディングしていきたい、と考えている方には最適なセミナーです。

 

新年度がスタートする今だからこそ、今年どのように経営を組み立てていくか、そんなヒントをお探しの方は、一度受講されることをお勧めします。

セミナーについての詳細は以下のサイトにてご確認ください。

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株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

吉田 隆太